できたてガパオライス

ゆすらの日常。毒にも薬にもならないことばたち。

エッセイ

呪術廻戦履修チャレンジ

アニメとかドラマの一話の雰囲気が苦手だ。起承転結でいうと起。絶対何か起こるのに平和っぽさ出してくるし、登場人物のキャラが掴めないし、展開も読めない。クラス替えがある新年度くらい怖い。 なのでシリーズものの作品をなかなか観始めることができない…

両片想いのたちの悪さよ

1年半ほど前、職場のお兄さんといい感じになった。もともといいなあくらいに思っていた人だったので、飲み会で言葉を交わしてから仲良くなるのは早かった。その時私には付き合っている人がいたけれど、お兄さんは彼氏と似ているようで異なるタイプで、そんな…

前世夭逝してる説

人生一回目だと、ずっと思っていた。理解は遅いし手先は不器用だし、周囲がなんてことなくこなせることも自分だけ失敗したりするから。私は人生一回目で、きっとみんなは何回も転生しているベテラン。そう割り切らないとやってられなかった。 ただ、最近思う…

表情の多様性を認めろ

表情が感情ほど動かない。ついでに声色にも感情が乗らない。幼い頃から、不機嫌だと勘違いされることがよくあった。学校帰りにすれ違った近所のおばさんには体調不良と思われてはちみつのど飴を持たされ、帰ったら緑茶でうがいするよう言い渡された。サーク…

やさしいきみだけを信じる

誰が誰を好きとか、嫌いとか、そういう話を何度聞いても覚えられない。大学で所属していた吹奏楽サークルは、サークル内恋愛が多くて、それはつまりサークル内失恋やサークル内浮気、寝取り寝取られが多いことを意味していた。4学年で60人前後、4年間所属し…

衣を纏う

ファッションにあまり興味がない。買う時も、着替える時も、服を選ぶという行為がひどく億劫に思える。何かを身につけている、という状態が、あまり好きではないのかもしれない。長袖よりは半袖が好きだし、バッグは両手が空くリュックが好きだし、なんなら…

未開封ナンプラー

年末頃からゆるやかなタイ料理ブームが続いている。はじまりはガパオライスとグリーンカレー。そこから、マッサマンカレー等タイカレー全般、カオマンガイと変遷を遂げ、今はガパオライスに戻ってきた。ご飯の選択肢にこれらがあると、つい手に取ってしまう…

ジャイアントコーンの秘密

1億年ぶりにジャイアントコーンを食べた。(オタクなので往々にして主語がでかいことは許してほしい) 幼い頃に何度か食べた記憶もあるが、ここ数年はカロリーが気になってずっと敬遠していた。最近になって久々に食べたくなり、ウィスキーで判断力が鈍った先…

温泉街のくじ引きとトルコ料理屋の笑顔プライスレス

草津温泉に行ったとき、お土産屋さんでくじを引いた。 店先には大きなテディベアがおり、1回550円のくじにははずれがないようだった。 1等 くま(大) 2等 くま(小) 3等 店内で使える商品券500円分 正直、くまが当たっても商品券が当たってもうれしい。迷…

病的スタディズハイとダメンズキャッチャー

勉強がしたくてたまらない衝動に襲われることが、昔からよくある。ワーカーズハイならぬ、スタディズハイ?要するに、勉強がしたくてたまらなくなる。 その衝動が出ているときは、残業後に深夜のファミレスへ自転車を飛ばして徹夜で勉強したり、仕事疲れでほ…

愛は食卓にあるなんて言うなよ

noteより肩ひじ張らないことばたちを吐き出す場所がほしくて、はてブロ開設してみた。と言っても、今のところ明確な使い分けを考えられていないので試験的に。すぐに消しちゃうかも。 ・・・ エッセイを書く予定があり、くどうれいんさんの『わたしを空腹に…

郵便局はいつもやさしい

郵便局の空気が好きだ。 休日や夜を知らない郵便局の窓口は、昼下がりの街の穏やかさを正しく反映していて、地元の空気を思い出させる。オフィス街にある郵便局はもう少し忙しないかもしれないが、住宅街にあるそこに流れる時間はとてもやさしく、ゆるやかだ…

ワンナイト・ジントニック

キスもセックスもない、文字通りのワンナイト・ラブをしたことがある。 22歳の5月、金沢。空は快晴で、もう初夏と呼べるくらいの暖かさだった。スマホを取り出して、メッセージを打ち込む。 「金沢つきました」 送信先は、かつて恋にも満たない憧れを抱いて…

トラウマのふりした自我に気づいてしまった

地震が起こった時に、心臓がどくどくとして、泣きたい気持ちになる。症状が起こり始めたのは、東日本大地震を経験してから2年が経ち、私が上京してからのことだった。 大震災が起こってすぐの頃は、余震が起こっても、周囲が驚くほどに冷静だった。電車に1時…

虚空へ手を伸ばす

2020年12月21日(月) 冬至 黒板にチョークを走らせる。頭の中で数式を解きながら、手は次の数式を組み立てる。誰もが無言の教室で、彼と私のチョークが黒板に打ちつける音だけが響いている。刹那、彼が声を上げた。 「あ、こういうことか!」 え、待ってよ。…

喪失を抱えて生きる

2020年11月4日(水) 木枯らし1号、晴れ 職場から家へと向かう電車が物凄い速さで以前の最寄り駅を通過するたび、もうここは私の住む街ではないのだと実感する。人は呆気なく街を裏切り、街もまた呆気なく人を忘れる。1日でも練習をさぼると指は動いてくれなく…

ただの人になっていく

十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人。 多くの人には、人生で「ただの人」になるときというものが訪れる。きっとどんな人にもいつかは訪れるであろうそれは、しかし気づくと既に過ぎた後であることも多い。私自身、かつて最強で無敵だった(と信じて…

海に近いあの街は、夏の匂いがした。

江の島にほど近いあの街の、夏の夜の匂いを、よく覚えている。 惰性で深夜アニメを流しつつ横になった、部屋の床の匂い。東京の暑さに慣れなくて、上京して初めて夏バテになった。ぐったりと凭れた頬に伝わるフローリングのつめたさと、開け放した窓から流れ…