できたてガパオライス

ゆすらの日常。毒にも薬にもならないことばたち。

LAST 5 days

 今の街に越してきて5か月、ようやくこれから通おうと思える美容院を見つけることができた。決め手はいくつかあるのだけれど、担当してくれた美容師さんの返事が「オッケーです!」だったのがそのうちの一つだ。長いこと通い慣れた院でよしなにやってもらっていたので、ここに来て自分の希望を伝える難しさに直面した。あらかじめ用意していた内容をたどたどしく伝えて「オッケーです!それでいきましょう!」と返ってきた時、ここに通おうと思ったのだった。

 

 髪を明るく染めている人はすごいと思う。金髪なら不良だとかそういう話ではなく、人の視線を集める可能性と髪が傷む可能性を受け入れているという点で。ちなみに私はインナーを2回ブリーチしているのだけれど、それさえもだいぶ悩んだ上での結論だった。色の抜けにくい髪質で、もう1回くらいブリーチした方が綺麗になりそうと思いつつ、ダメージが怖くて断念している。


 親が染髪していなかったこともあり、幼い頃は髪を染めている人たちがそれだけで怖かった。今は髪の色と性格に相関がないとしっかり理解しているのでそんな恐怖もなく、むしろ綺麗だと思うのだけれど、それを置いても髪を明るい色に染められる人のメンタルにはそれだけで若干萎縮してしまう。あらゆるリスクを享受して己の望むことを追求できるという点では、全頭ブリーチもカラーコンタクトも、それから妊娠・出産も、私にとっては等しく「すごいこと」に思える。そもそもブリーチをしている人にとって視線を集めることがリスクに値するかもわからないのだけれど。それはそれでその逞しさに気後れしてしまう。


 結局今回もブリーチしようという気持ちにはならず、普通のカラーをお願いした。とはいえせっかく2度のブリーチを経たインナーカラーは目立たせたかったので、色が抜けにくいという赤色を入れてもらった。外側のベースは同系色の少し赤みがかった茶色に。これまで寒色を選びがちだったので、こうした系統は初めてだったけれど、仕上がりがかわいかったので満足だ。LiSAちゃんみたいで気分が上がる。派手な冒険のできない私の精いっぱいで、春のうれしさを表したような色合いになった。30代をともに迎えるヘアカラー、少しでも長持ちしてくれるとうれしい。帰りに高揚した気分のままヘアオイルとトリートメントを買ったので、自宅でのヘアケアを頑張ろうと思う。