できたてガパオライス

ゆすらの日常。毒にも薬にもならないことばたち。

温泉街のくじ引きとトルコ料理屋の笑顔プライスレス

 草津温泉に行ったとき、お土産屋さんでくじを引いた。


 店先には大きなテディベアがおり、1回550円のくじにははずれがないようだった。

 

 1等 くま(大)

 2等 くま(小)

 3等 店内で使える商品券500円分


 正直、くまが当たっても商品券が当たってもうれしい。迷わず一回引いた。


 「え、1等じゃん」


 なんとあっさり1等を引いてしまった。店先の椅子に座るあのサイズのくま(小さな子どもくらいある)をもらえるのかと思い、東京まで持って帰る自分の姿を想像したらちょっとおもしろかった。

 

 結局、もらったのは普通のぬいぐるみサイズだった。小よりたしかに一回り大きいけれど想像よりは大分小さくて、それでも持ち帰りやすいサイズのくま(大)が当たったことはうれしかった。土地にちなんで「草津くん」と名付けたはずだが、同居人がいつも「くまだくん」と呼ぶので気づけばそんな名前になっている。


 出かけた時に、未知のものやよくわからないことにチャレンジするのが好きだ。


 六本木で用事があり、ランチのために適当なトルコライスの店に入ったことがある。席に通されて注文をすると、薬草のような色をした謎のお茶が出てきた。トルコの人なのか、店員はたどたどしい日本語とさわやかな笑顔で「ウーロン茶です」と言った。飲んでみると案の定、私の知っているウーロン茶の味ではなくて、やっぱり薬草みたいな味がした。めちゃくちゃ堂々と嘘つくじゃん。それともこれがトルコのウーロン茶なのか?

 

 別に正解はどっちでもいい。ただ、この想像を超えてくる感じが楽しくて好きだと思った。プロジェクターで店内に映し出された韓流ドラマと店の雰囲気のアンマッチさも。


 トルコライスは普通においしかった。ウーロン茶と違って、自分の中に正解がないからかもしれない。特段驚かされることもなく完食した。


 会計時、ウーロン茶(仮)を出してきたお兄さんがさわやかな笑顔で「お姉さんかわいいね、僕火木金シフトなんだ。また来てよ!」と声をかけてきた。私もこのくらい堂々と出まかせを言える人間になりたい。おっけーおっけーごちそうさまでしたと適当に相槌を打って店を出た。


 最近はめっきり外食も旅行もしなくなってしまったので、こうした未知との遭遇体験が少なくて日々が物足りない。早くまた各地に飛び回れる世界に戻ってほしい。


 とりあえず、また海外に行けるようになったらタイで本場のタイ料理を食べて象に乗ることを決めている。

 

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