できたてガパオライス

ゆすらの日常。毒にも薬にもならないことばたち。

シンガポール旅行記 vol.1

 飛行機でシンガポールへ向かっている。海外へ行くのは昨年末にフランスへ行ったぶりで、確かあの時も行きの飛行機でブログを書いたはず、と思って探したら、オフライン下での保存に失敗していたことを思い出した。vol.1の代わりにvol.1’という記事が残されていた。

 今回の飛行機は格安のエアラインで、機内食や毛布の提供がデフォルト料金に含まれていないタイプだ。座席ごとのモニターもない。だけど機内ではWi-Fiが使えるし、平日の便だからか空席も多くそこまで不便さは感じていない。

 斜め前に座っていた家族らしき集団が動きを見せたのは、機体が離陸を終えてベルト着用サインが消えた直後からだった。まず中年の男性が私の前へ座席を移動し、二席分を使って横になる。その前の座席には中年の女性がいて、二人で持ち込んだらしき枝豆を分け合う。頭上の荷物入れから何かを頻りに出し入れし、その都度そこを開けっ放しにするので、CAさんが通るたびに閉めているのを見た。暫くすると斜め前の席に残っていた老夫婦らしき二人のうち男性の方が私の後ろの座席に移動し、中年男性と同じく二席分を使って横になりだした。なるほどこれが格安エアライン、若干の無法地帯に嫌気がさしつつも低価格の恩恵にあずかっている以上文句は言えないかと腹を括った。

 結局、このエアラインでは座席の移動を禁止しているらしく、CAさんが元の座席に戻るようお願いしたことで彼らは私の斜め前のスペースに戻っていった。まあベルト着用サインが消えても基本的にシートベルトを締めるようアナウンスもされているしね。斯くして、姿が見えないながら私の前後の座席で感じていた横たわる男性たちの気配がなくなり、私は清々しい気持ちでもう少しだけ自席のリクライニングを後ろに倒したのだった。公共交通機関というある種の閉鎖空間での身の振り方は、社会生活における己のそれをそのまま反映しているように思う。みんなが心穏やかに過ごせるのが一番だよな。

 ところでこの便、前述の通り機内食の提供がなく、今は日本時間の18時なのでそろそろお腹が空いてきた。14時過ぎにおにぎりを食べたとは言え、到着は23時だ。それまでもつだろうか。リュックには離陸前にセブンイレブンで買った柿ピーが入っているが、先程ちらりと裏面の表示を見たら持ち歩くのもおそろしいほどのカロリーだったので、少しだけつまむ程度に留めたいと思う。現地に着いて一食目はホテルの朝食かな。エスニックな味を堪能したい。その前に、有料オプションでやっぱりスパークリングワインでも頼もうかなあ。

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