できたてガパオライス

ゆすらの日常。毒にも薬にもならないことばたち。

フランスプチ留学記 vol.1’

 昨日、飛行機の中でブログの下書きを書いてオフライン保存をしたはずなのだけれど、着陸してオンラインにしてみたら綺麗に消えていた。まあフライト中の暇つぶし兼記録のようなものだったので、そんなこともあるかと諦める。そんなわけでこの記事のタイトルはvol.1'(ダッシュ)だ。ちなみに反省を生かし、この記事はiPhoneデフォルト搭載のメモアプリに書いている。

 現在、フランスで2週間とすこしのプチ留学中。と言ってもまだ2日目で、昨日と今日は専ら移動で終えてしまうので、私の口はまだまともな仏文を発していない。道端で人とぶつかりそうになった時、咄嗟に口をついて出た謝罪は英語で、満足にしゃべれなくても日本語の次に話せるとしたらやはり英語なのかもしれないと思った。日本の学校教育の真っ当な成果だ。

 今はホームステイ先の街へ、5時間の列車移動中だ。本来2時間程度で着くものの、ストの影響で3日ほど前に「あなたのチケットはキャンセルされました!」とメールが来たので、大慌てでなんとか代わりにとったのがこの列車だった。前のチケット代は戻ってくるらしいが、出発駅を変えたことでホテルのキャンセル代と新たなホテルの宿泊代は余計にかかった。だがこの国では私が異分子なので、これが文化と言われれば受け入れるべきは私の方だろう。案外このイレギュラーにわくわくしたりもしている。

 とはいえ大抵のイベントごとは直前になると多くの不安を与えてくるもので、今はホストファミリーとの初対面や、明日からの語学学校への登校が怖い。私のような怖がりは、一度怖いと思うと連鎖的にあらゆるものがおそろしく思えてしまうのでよくない。電車で斜向かいのお姉さんがしている電話の声すら誰かを咎めるものに聞こえてきてしまう。車窓から見える天気が薄曇りなのもよくない。パリの冬は大概このような天気と聞いたが、これから向かう街はどうだろうか。私の精神状態のためにも、ぜひ晴れていてほしいところだ。日本では自他共に認める晴れ女なので、曇りや雨に対する耐性が低い。

 大抵のことを怖く感じるのと同じくらい、しかし大抵のことは経験してみれば楽しかったりもする。怖い怖いと半べそをかきながら出かけた後に楽しかった!と笑顔で帰ってくる私を母は何度見てきたことだろう、今回もきっとそうだよと励ましのLINEをくれた。

 あと10分もしないで列車は目的地に着くだろう。ボックス席は現地の女の子2人組と相席で、1人は赤いセーターを着て1人は赤いネイルをしているのがとてもよかった。恐怖心を乗り越えるアイテムとして、明日の初登校には私も赤リップで挑もうと思う。