できたてガパオライス

ゆすらの日常。毒にも薬にもならないことばたち。

ココット・ロンド20cm

 10月半ば、親戚のおばさんからル・クルーゼのお鍋が届いた。結婚祝いにと、2人前にちょうどいいサイズの。自分では選ばなさそうなベージュの小さなそれがかわいくて、早く使いたくなった。最初につくったのはチキンのトマト煮込み。無水調理に慣れず、ミネストローネになってしまったけれど。

 実はそれは久方ぶりの自炊で、過去にこんな記事も書いたくらい、私は自炊が苦手だ。

 だけど久々の料理はたのしかった。一度に三食分くらいつくれるので、毎夜食べても三日はもつ。残業で夜遅くに帰っても自分の手料理が食べられるのはうれしかった。自分の料理を食べることは心身の健康に直結する気がする。

 それから、シチューや和風煮込み、きりたんぽ鍋、水炊きに赤から鍋と、ル・クルーゼは大活躍している。在宅勤務の頻度が増えたことや、寒い季節になってきたことも幸いした。我が家のコンロは突然の自炊頻度の増加に戸惑っているかもしれない。こうして、これまで何度原因を深掘りしても解決に至らなかった私の自炊嫌いは「頂いたかわいいお鍋を使いたい」という動機によりあっさり解決したのだった。

 今日はどうしてもキーマカレーが食べたくて、お昼からみじん切りを仕込んでいた。仕事を切り上げてすぐに挽肉を買いに行き、ひたすらに炒める。カレー粉やら蜂蜜やらで味付けをしたそれは期待以上においしく、あやうくストック分も食べてしまうところだった。あまりの料理スキルの低さに、スーパーの挽肉コーナーでスマホを手に取り「キーマカレー 挽肉 種類」と検索してしまったが、そんなレベルの私でもちゃんとおいしいカレーをつくれるのだからル・クルーゼはすごい。

 もちろん未だに自炊をしない日もざらにあるし、出勤した日のお昼は常にローソンなので、胸を張れるレベルではない。それでも、すこし前までの自炊が苦手で、だけど自炊ができる女性になりたいというコンプレックスを抱えていた自分にとっては大きな進歩だ。お鍋をくれたおばさんにはほんとうに感謝している。

 何より「料理が苦手」ではなく「自炊が苦手」だったのだと気づけたことは大きい。この二つは似ているようでかなり違う。どうやら気力や体力が足りないだけで、料理自体が壊滅的に下手ということはないようだった。母のおいしい手料理で育ったことが無駄ではなかったことに安堵する。

 そんなわけで、これからさまざまな自炊に挑戦していきたい。毎日とはいかずともおいしく健康的な食事を摂ることで、我が家のQOLがちょっぴり上がるといい。旬の移ろいがたのしみだね。

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